• 9月 4, 2026
  • 9月 5, 2026

PCOSの「採卵」――卵がたくさん取れるのはいいこと?

「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は卵が多いから、体外受精ではたくさん採れますよね?」

採卵を控えた患者さんから、本当によくいただく質問です。

確かにPCOSの方は、卵巣に多くの小さな卵胞がみられ、卵巣刺激に対する反応が強く出ることで、一度に多くの卵子が採れることがあります。

しかし、

「たくさん取れる=必ず良い」

とは限りません。

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🥚 たくさん採れるメリットと、注意したいリスク

採卵できる卵子の数が多ければ、その後、

成熟 → 受精 → 胚の発育 → 胚盤胞

という過程を経て、移植できる胚を複数確保できる可能性が高まります。

一方で、PCOSの方では卵巣刺激に対して強く反応し、多数の卵胞が発育することがあります。

このような場合、**卵巣過剰刺激症候群(OHSS)**のリスクに注意が必要です。

OHSSでは卵巣が腫れたり、お腹や胸に水がたまったりすることがあります。重症化すると、慎重な管理が必要になる場合もあります。

そのため、PCOSの採卵では、

「できるだけたくさん採る」のではなく、
「安全に、適切な数の卵子を採る」

という考え方がとても大切です。

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⚠️ 「PCOSだから必ずたくさん採れる」とは限りません

「PCOSなら、採卵ではたくさん卵が採れる」

と思われることがあります。

しかし、PCOSであっても、すべての方が同じように卵巣刺激に反応するわけではありません。

事前にAMH値や超音波検査で卵巣の状態を確認していても、実際に刺激を始めてみると、

「予想していたほど卵胞が育たない」

ということもあります。

卵巣の反応には個人差があり、その周期のホルモン状態などによっても変化します。

そのため、採卵周期では、超音波検査やホルモン値を確認しながら、お薬の量や治療方法を調整していきます。

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💉 PCOSの採卵は「安全性」を重視して進める

PCOSの方では、OHSSのリスクを考慮しながら、卵巣刺激の方法やお薬の量を一人ひとりに合わせて調整します。

例えば、刺激に使用するお薬の量を調整したり、卵胞の発育状況に応じて採卵のタイミングを判断したりします。

また、排卵を抑える方法の一つとして、プロゲスチンを使用するPPOS法が選択されることもあります。

PPOS法では、採卵後に新鮮胚移植を行わず、採卵した胚を一度凍結し、後の周期に凍結胚移植を行うことが一般的です。

PCOSの採卵では、

「卵子を多く採ること」だけでなく、
「安全に採卵を終えること」

も非常に大切な治療目標です。

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❄️ 採卵の「数」だけを目標にしない

体外受精では、どうしても

「何個採れたか?」

という数字に目がいきがちです。

しかし、採卵はゴールではありません。

採卵した卵子は、その後、

採卵 → 成熟 → 受精 → 胚の発育 → 胚盤胞 → 移植

という、いくつもの段階を経ていきます。

10個採れたから必ず妊娠につながるわけではありません。

一方で、採れた卵子の数が少なくても、良好な胚が得られ、妊娠・出産に至ることもあります。

大切なのは、

「何個採れたか」だけではなく、最終的に妊娠につながる可能性を考えながら、安全に治療を進めることです。

「PCOSだから、できるだけたくさん採ればいい」のではありません。

ご自身の卵巣の反応を見ながら、一人ひとりに合った刺激方法を選び、安全性にも配慮しながら採卵を行うことが大切です。

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次回は

PCOSシリーズの最後として、

「PCOSなら40歳を過ぎても卵が取れる?――卵の数と卵の質は別のお話」

についてお話しします。

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監修 Dr. 保母 るつ子

  • 日本専門医機構 産婦人科専門医
  • 日本生殖医学会 生殖医療専門医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医(腹腔鏡)
  • 医学博士
秋葉原ART Clinic 03-5807-6888 ホームページ