- 9月 18, 2026
- 9月 15, 2026
PCOSからPMOSへ——「多嚢胞性卵巣症候群」の名称が変わった理由と治療への影響

秋葉原ART Clinic院長の湯です。今回は、PCOSからPMOSへの名称変更について解説します。
これまで「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)」と呼ばれてきた病気について、2026年5月、国際的な専門家によるコンセンサスにより、新しい名称が提案されました。
新しい名称は、PMOS(Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome)日本語では、多内分泌・代謝性卵巣症候群と表現されます。
PCOSはこれまで、月経不順や排卵障害、不妊の原因の一つとして知られてきました。
では、なぜ病名が変わったのでしょうか?また、名称変更によって、これからの診断や不妊治療は変わるのでしょうか?
「PCOS」という名前には、どのような問題があったのでしょうか?
PCOSは、英語の「Polycystic Ovary Syndrome」の略で、日本語では「多嚢胞性卵巣症候群」と呼ばれてきました。この名前からは、「卵巣に嚢胞(cyst)がたくさんできる病気」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、PCOSで超音波検査などで認められる小さな卵胞は、一般的な意味での「病的な嚢胞」とは異なります。
また、PCOSは卵巣の形だけの問題ではなく、月経・排卵の異常、男性ホルモン、インスリン抵抗性などの代謝異常など、さまざまな要素が関係しています。
こうした背景から、PCOSの病態をより適切に表す名称について、国際的に検討が行われてきました。そして2026年、PCOSに代わる名称として「PMOS」が提案されました。
PMOSは何を意味するのでしょうか?
PMOSは、Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome の頭文字を取った名称です。
「Polyendocrine」は内分泌・ホルモン、
「Metabolic」は代謝、
「Ovarian」は卵巣
に関係することを示しています。
新しい名称では、卵巣だけではなく、ホルモンや代謝を含めた複合的な病態であることがより明確に示されています。
名前が変わったことで、診断方法や治療も変わるのでしょうか?
今回の名称変更は、これまでのPCOSという病態が突然変わったということではありません。
「多嚢胞性卵巣症候群」という名称から生じる「卵巣に嚢胞がたくさんある病気」というイメージを見直し、生殖・内分泌・代謝などが関係する病態として、より正確に捉えていこうという考え方が背景にあります。
そのため、名称変更によって、これまでの診断や不妊治療が大きく変わるわけではありません。
今後も、月経や排卵の状態、ホルモン、卵巣機能、代謝などを総合的に評価し、一人ひとりの状態に合わせて治療を行うことが重要です。