- 9月 30, 2026
原因不明不妊6年、体外受精2回目で妊娠した症例
こんにちは。秋葉原ART Clinic院長の湯です。
今回は、37歳、妊娠歴がなく、6年間の不妊期間があった「原因不明不妊」の症例をご紹介します。
人工授精やタイミング法を行っても妊娠に至らず、その後、体外受精による治療で妊娠し、当院を卒業された症例です。
実際の治療経過を紹介しながら、「原因不明不妊とは何か」「採卵数だけでは治療結果を判断できないこと」「体外受精ではどのように治療が進むのか」について解説します。
※本記事は、個人を特定する可能性のある情報を削除して掲載しています。
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症例概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 37歳 |
| 妊娠歴 | なし |
| 不妊期間 | 6年 |
| 不妊原因 | 原因不明不妊 |
| AMH | 2.28 ng/mL |
| 月経周期 | 25~27日周期 |
| これまでの治療 | 人工授精3回、タイミング法1回 |
| 体外受精 | 採卵2回、移植2回 |
| 結果 | 凍結胚盤胞移植により妊娠 |
| 体外受精開始から卒業まで | 約3か月 |
| 当院卒業時 | 妊娠8週 |
| 凍結胚 | 胚盤胞1個を凍結保管中 |
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これまでの治療経過
34歳、不妊期間3年で初診。
夫婦それぞれのスクリーニング検査を実施したが、妊娠を妨げる明らかな異常所見は認めなかった。原因不明不妊として、タイミング法1回、人工授精3回を実施。その後、いったん通院を中断し、自己流でタイミングをとっていたが、妊娠には至らなかった。
3年後、37歳で再診。これまでの治療経過と不妊期間を考慮し、体外受精を開始した。
【1回目の採卵・新鮮胚移植】
月経4日目 クロミッド内服開始
↓
月経11日目 超音波・ホルモン検査、採卵日決定
↓
月経13日目 採卵、成熟卵子3個。精子の状態を考慮して顕微授精を提案したが、ご本人の希望により、通常の体外受精と顕微授精に分ける「split法」を実施。
↓
月経15日目 新鮮分割胚移植。体外受精1個、受精せず、顕微授精にて受精した2個のうち1個を用いて、新鮮分割胚移植を実施。
↓
月経25日目 妊娠判定:陰性。残りの胚は胚盤胞まで培養したが、凍結には至らなかった。
【2回目の採卵・胚盤胞凍結・凍結融解胚移植】
1回目の妊娠判定後、次の月経周期で再度採卵を実施。
【採卵から胚凍結までの経過】
月経2日目 受診・超音波検査。クロミッド処方、翌日から内服開始
↓
月経12日目 超音波・ホルモン検査、採卵日決定
↓
月経14日目 採卵、成熟卵子1個+未熟卵子1個。成熟卵子には顕微授精を実施、未熟卵子については体外で成熟を確認した後、顕微授精を実施。
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月経22日目 採卵後診察と培養結果を確認。2個とも受精し、2個の胚盤胞を凍結。
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【凍結胚移植から妊娠まで】
胚盤胞を凍結した次の周期に凍結融解胚移植。
月経4日目 受診・超音波検査。レトロゾール内服開始
↓
月経11日目 超音波・ホルモン検査、移植日決定
↓
月経18日目 凍結融解胚移植
↓
月経25日目 妊娠判定:hCG >90
↓
妊娠5週1日 胎嚢確認
↓その後心拍確認
妊娠8週 当院卒業
現在、残りの凍結胚盤胞1個を凍結保管中。
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この症例から考えること
「検査に異常がない」=「自然妊娠できる」とは限らない
「不妊症の原因を調べるためには、排卵、卵巣予備能、卵管の通過性、子宮の状態、精液所見など、さまざまな検査を行います。それでも明らかな原因が見つからない場合、「原因不明不妊」と呼びます。
「原因不明」とは、原因が存在しないという意味ではなく、現在の検査では原因を特定できないという意味です。例えば、精子と卵子が実際に出会い、受精する過程は、通常の検査では直接評価することが困難です。検査で異常が見つからなくても、必ずしも自然妊娠ができるとは限らないため、年齢や不妊期間などを踏まえて、不妊治療を検討することが重要です。
今回の症例では、タイミング法、人工授精を行っても妊娠に至らなかったため、体外受精へ進みました。顕微授精によって受精を確認できたことが、妊娠につながった要因の一つと考えられます。
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採卵数が少なくても、順調に妊娠成功した実例
当院で行っている低刺激周期の体外受精における、代表的な一例の治療経過をご紹介しました。
採卵数が少ないと、不安に感じる方も少なくありません。今回の症例では、採卵数が2~3個と少ない周期でも、その後の受精・培養を経て妊娠に至りました。
採卵では、発育した卵胞から卵子を回収し、受精・培養を行います。採卵数だけでなく、卵子の状態の確認、受精、胚の培養など、その後の過程も重要です。
なお、当院では、自然・低刺激周期を基本としながらも、一律に同じ方法を行うのではなく、年齢や卵巣予備能、これまでの治療経過、ご希望などを踏まえて一人ひとりに合わせた治療方針を検討し、ご提案しています。
また、治療の目的によっても卵巣刺激の方法は異なります。卵子凍結やPGT-Aを行う場合には、複数の卵子を得ることを目的として、卵巣刺激を行うことが一般的です。
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体外受精の実際の通院例
患者さんによって通院回数や受診日は異なりますが、今回の症例は、体外受精における代表的な通院スケジュールの一つです。
月経周期25~27日の方で、採卵から新鮮胚移植(分割胚)、その後の凍結胚移植(胚盤胞)までの経過を経験しました。体外受精を検討されている方の通院スケジュールの目安として、参考にしていただければと思います。
実際の通院回数や受診日は、卵胞の発育、ホルモン値、治療方法などによって異なります。診察の都度、その後の見込みやスケジュールをご案内しています。
通院スケジュールについてご不安やご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
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体外受精の治療については、こちらの「体外受精」ページをご覧ください。