• 10月 7, 2026
  • 10月 2, 2026

体外受精へのステップアップ、迷っていませんか?〜当院の負担の少ない体外受精〜

「人工授精から体外受精に進んだ方がいいの?」

「体外受精って、毎日注射をしたり、何度も通院したりして大変そう……」

不妊治療を続けていると、体外受精へステップアップするタイミングで迷う方は少なくありません。

今回は、自然妊娠と体外受精の違いから、当院が基本としている自然周期・低刺激周期の体外受精、さらに排卵誘発や凍結融解胚移植まで、できるだけ分かりやすくご紹介します。

やさしく学ぶ体外受精ステップガイド

そもそも「自然妊娠」はどうやって起こるの?

まずは、自然な妊娠がどのように進むのか、そのスケジュールを簡単におさらいしてみましょう。

  • 0日目:排卵(卵子と精子が出会います)
  • 1日目:受精
  • 2〜6日目:細胞分裂を繰り返しながら成長し、5〜6日目頃には「胚盤胞(はいばんほう)」という状態へ
  • 6〜7日目頃:胚盤胞が子宮内膜に接着し、着床が始まる
  • 10日目頃:体内で妊娠の反応(hCG)が出始める
  • 12日目頃:妊娠判定ができる時期へ

妊娠判定までの約2週間、体の中では排卵 → 受精 → 胚の発育 → 着床という一連の過程が進んでいます。

体外受精では、何をしているのでしょうか?

「体外受精」と聞くと、とても大がかりな治療を想像される方もいるかもしれません。

自然妊娠との大きな違いは、卵子を体外に取り出し、精子と受精する環境をつくり、受精後の胚を培養してから子宮へ戻すことです。

具体的には、卵胞を育てる → 採卵 → 受精 → 胚培養 → 胚移植という流れで治療を行います。

通常の体外受精(IVF)では、卵子と精子を一緒に培養して受精を待ちます。精子の状態や卵子の成熟度、これまでの受精状況などによっては、1個の精子を卵子の中に注入する顕微授精(ICSI)を行うこともあります。

また、採卵した周期に胚を移植する「新鮮胚移植」と、胚をいったん凍結保存し、別の周期に移植する「凍結融解胚移植」があります。

「体外受精=毎日注射で大変」と思っていませんか?

体外受精というと、「毎日注射をしなければならない」「何度も通院しないといけない」「採卵の痛みや副作用が心配」といったイメージを持っている方もいらっしゃいます。

体外受精にはさまざまな排卵誘発方法があり、必ずしもすべての方が連日の注射を必要とするわけではありません。当院では、自然周期・低刺激周期を基本として、できるだけ身体的・精神的な負担に配慮した体外受精を行っています。飲み薬を中心に卵胞の発育を促し、必要に応じて注射を組み合わせます。

【低刺激治療の基本的な流れ】

  1. 月経開始後に受診
  2. 内服薬などで卵胞の発育を促す
  3. 超音波検査やホルモン検査で卵胞の発育を確認
  4. 採卵
  5. 体外受精または顕微授精
  6. 胚培養
  7. 新鮮胚移植、または胚を凍結して次周期以降に凍結融解胚移植

という流れで進みます。

当院では、採卵時に極細の採卵針を使用しています。麻酔を使用せず短時間で採卵することも可能で、痛みが心配な方には、局所麻酔や鎮痛用の坐薬を使用することもできます。採卵後の安静時間も10分程度となります。

体外受精へステップアップすると妊娠率は上がるのでしょうか?

タイミング法や人工授精では、排卵された卵子が卵管に取り込まれ、精子と出会って受精し、その後、胚が発育して子宮へ移動する過程は体内で起こります。

体外受精では、採卵によって卵子を確認し、受精、胚の発育までを確認できることが大きな違いです。

そのため、タイミング法や人工授精を繰り返しても妊娠に至らない場合、体外受精へステップアップすることで妊娠の可能性を高められることがあります。

年齢や不妊の原因などによって治療成績は大きく異なりますが、タイミング法や人工授精(AIH)の1周期あたりの妊娠率は、一般的に数%〜10%程度です。

これに対して、胚移植1回あたりの妊娠率は、当院では新鮮胚移植では約30%、凍結融解胚移植では約50%程度となります。

なお、当院では、新鮮胚移植では主に初期胚を移植し、凍結融解胚移植では基本的に胚盤胞まで培養して凍結した胚を移植しています。どの方法を選択するかは、年齢、卵巣予備能、精子の状態、これまでの治療経過などを考慮して一緒に決めていきます。

必要に応じて、注射薬を使用した排卵誘発も行います

当院では自然周期・低刺激周期を基本としていますが、すべての患者さんに同じ方法を行うわけではありません。

年齢、AMH、胞状卵胞数(AFC)、これまでの採卵結果などを参考に、必要に応じて注射薬を使用して複数の卵胞の発育を促すことがあります。

「刺激を強くすればよい」「採卵数が多ければよい」ということではなく、その方の卵巣の状態やこれまでの治療経過を見ながら、適切な刺激方法を選択することが大切です。

体外受精へ進むか迷っている方へ

「人工授精を続けるか、体外受精へ進むか迷っている」

「体外受精には興味があるけれど、注射や採卵が心配」

「仕事を続けながら治療できるのか知りたい」

「自分にはどのような採卵方法が合っているのか知りたい」

体外受精へのステップアップを考える理由やタイミングは、一人ひとり異なります。

当院では、自然周期・低刺激周期を基本としながら、年齢、AMH、卵胞の状態、これまでの治療経過、ご希望などを踏まえて治療方法をご提案しています。

体外受精を始めるかまだ決めていない段階でも構いません。

「自分の場合は、次にどのような治療を考えればよいのか」を知りたい方は、診察時にお気軽にご相談ください。

────────

監修 Dr. 保母 るつ子

  • 日本専門医機構 産婦人科専門医
  • 日本生殖医学会 生殖医療専門医
  • 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医(腹腔鏡)
  • 医学博士
秋葉原ART Clinic 03-5807-6888 ホームページ