- 9月 7, 2026
- 9月 8, 2026
卵胞の発育と排卵

秋葉原ART Clinic 院長の湯です。今回は、「卵胞の発育と排卵」について解説いたします。
卵胞はどのように発育するのでしょうか?
卵巣の中には、「卵子」を包み込みながら育つ「卵胞」があります。
卵胞は、卵子とその周囲を取り囲む顆粒膜細胞や莢膜細胞などから構成されています。
卵胞は非常に小さな状態からスタートし、段階を踏んで成長しながら、最終的に排卵に至ります。
原始卵胞から成熟した卵胞に至るまでの主な発育段階は、以下の通りです。
- 原始卵胞(Primordial follicle)
- 一次卵胞(Primary follicle)
- 二次卵胞(Secondary follicle)
- 前胞状卵胞(Preantral follicle)
- 胞状卵胞(Antral follicle)
- 主席卵胞(Dominant follicle) ↓ 排卵
※⑥の主席卵胞は、排卵直前には「成熟卵胞」あるいは「グラーフ卵胞(Graafian follicle)」と呼ばれることもあります。
この過程でたくさんの卵胞が同時に発育を始めますが、すべての卵胞が排卵まで進めるわけではありません。ほとんどの卵胞は途中で発育を停止し、退縮(閉鎖:Atresia)していきます。
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月経中に超音波検査で見えているのは「胞状卵胞」
婦人科で月経中や月経直後に超音波検査を行う際、観察される小さな卵胞の多くは胞状卵胞(Antral follicle)です。
不妊治療などでよく使われる「AFC(胞状卵胞数)」とは、この胞状卵胞の数を測定(カウント)することで、卵巣予備能を評価する指標です。
超音波では複数の胞状卵胞が確認できますが、通常の月経周期では、その中から1つの卵胞だけが選ばれて大きく育っていきます。この選ばれた卵胞を主席卵胞(Dominant follicle)と呼びます。
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たくさんの卵胞の中から「1つ」が選ばれる
排卵に至るまでの大まかな流れは、以下のようになります。
- 複数の胞状卵胞が育ち始める
- その中から1つが主席卵胞として選ばれる
- 主席卵胞がさらに発育・成熟する
- 排卵する
「どのようにして1つの卵胞が選ばれるのか」という仕組みは、正常な排卵を理解するうえで非常に重要です。また、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)をはじめとする排卵障害の病態を理解する鍵にもなります。
次回は、「たくさんの卵胞の中から1つだけが選ばれるの?――主席卵胞が決まる仕組み」について詳しくお話しします。
(各段階の卵胞のイメージ図は、図説 ARTマニュアル、改定第2版 P27から引用、編集)