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不妊治療中の新型コロナワクチン接種と接種後の避妊期間について

院長の湯です。不妊治療通院中の患者様から新型コロナワクチンの接種はどうしたらよいかとの質問をよくお受けします。簡潔にお答えすると、

  1. 妊婦さんが新型コロナウィルスに感染した際のリスクは大きいものと考えられているので、可能であれば、妊娠する前にワクチン接種することを推奨されています。
  2. 不妊治療中でも新型コロナワクチンの接種ができます。
  3. 接種後⻑期の避妊は必要ないとされています(日本産婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会の提言より)

 

ワクチン接種後の避妊期間については、

  1. 風疹ワクチンなどの生ワクチンは、接種後2か月の避妊が必要です。
  2. インフルエンザワクチンなどの不活化ワクチンは、避妊期間を設ける必要はないとされています。

 

今回の新型コロナワクチンは、世界中でいくつかの種類の研究開発が進められています。ファイザー社とモデルナ社のワクチンは今までのワクチンと違って、mRNAワクチンという遺伝子を利用した新しい手法のワクチンです。

開発期間が短かったため、安全性などに関わる情報が不足しているのが現状です。妊娠している女性に関する治験データはさらに少ないので、世界各国で様々な対応がなされています。
アメリカでは、「ワクチンを投与したからといって妊娠の試みを延期する理由はなく、また、2回目の接種が完了するまで不妊治療を見合わせる理由もない」としています。

日本産婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会の提言には、「⽣ワクチンではないので、接種後⻑期の避妊は必要ない」と明記されています。ただし、長期の避妊は必要ないというのは、避妊を必要としないか、それとも短期の避妊が必要か、どちらとも明言はされていません。

  1. 避妊しない
  2. 慎重に1ヶ月ぐらい避妊する
  3. より慎重に生ワクチン同様2カ月避妊

考え方によっていずれかを選択することとなるでしょう。

新型コロナワクチンを接種するかどうかを含めて、各種最新の情報を基に自らの判断を求められていると思われます。

 

参考情報として、これらのサイトもご覧ください。

厚生労働省の新型コロナについてのQ&A

Q5-3妊娠中や授乳中の人は、ワクチンを受けることができますか?

新型コロナワクチンについてのQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

並びに「妊娠中・授乳中の方について」

私は妊娠・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを受けることができますか。

 

日本産婦人科感染症学会・日本産科婦人科学会の提言

Microsoft Word – COVID19ワクチン接種0127確定.docx (jsog.or.jp)

 

日本生殖医学会の~海外の動向にについて

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの通知~海外の動向について~(2021年1月18日版) (jsrm.or.jp)

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