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AMH(抗ミュラー管ホルモン)について

こんにちは。医師の昇(のぼり)です。
今日は、AMHについてお話したいと思います。AMHとは、抗ミュラー管ホルモンの略で、卵巣予備能のマーカーとして利用されます。

卵巣予備能とは、卵巣が持っている潜在的な卵巣機能の予備力を指し示す単語です。
私はよく患者様に、「卵巣に、あとどのくらい排卵の可能性がある卵の種が残っているかを示す値です。」とご説明いたします。血液検査で測定することができるので、卵巣予備能を評価するために広く普及している検査項目です。

では、AMHがいくつあれば、卵巣機能は正常といえるのでしょうか?

実は、AMHに平均値はあるものの、正常値は設定することができません。AMHの測定結果については、同年代の人たちと比べて残っている卵子の数が多い少ないという言い方はできますが、正常異常と評価するものではありません。もちろん、AMH値は年齢とともに減少します。

ちなみに、多嚢胞性卵巣症候群の女性では、AMHは高値を示します。「AMHが高い」=「卵巣の中に卵の種がたくさんある」ということなのですが、多嚢胞性卵巣症候群の女性は往々にして月経不順や無月経に悩まされることが多くなります。卵の種がたくさんあるのに月経が来ない(=排卵できない)とは、なんだか矛盾を感じる話ですね。このことに関して、よく患者様にご説明する例え話なのですが、「たくさん種を植えすぎたプランターは、種同士がお互いに遠慮しあってしまって芽が出にくい」とご説明しています。つまり卵巣というプランターの中に卵の種がありすぎるせいで、お互いに遠慮しあってしまって卵胞が発育しにくいのです。

卵胞が発育してくれないと当然排卵も起こらないので、月経が来ない、あるいは不順となります。これに関しては、排卵誘発剤と呼ばれるお薬で少しだけお手伝いさせて頂ければ、解決する問題です。もし、月経不順や無月経に悩まれている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度当院にご相談にいらしてくださいね。

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